#櫻屋敷
「『桜の足元には死体が埋まっている』?」
「まぁ。なぁに、それ?
うふふ、おかしい。そんな言葉があるの?」
「でも、たしかにそうかもしれません。綺羅綺羅しい歴史の裏側を少し覗けばそこには血腥いものがいくつも転がっているのが常ですもの。
あんなにも美しい木です。根本を掘り返せば、それこそ無念に散った骸のひとつやふたつ、出てきてもおかしくありませんわ。」
「この家はとても栄えていたようですから尚の事。人は生きていれば誰だって悩みを抱えるものですけれど、とりわけ名家というのはいつの世も何かしらの問題を抱えながら、一見華やかな生活を送っているものです。」
「先程は『ひとつやふたつ』と申しましたけれど、実際は両手の指で足りるかわからないほどに埋まっているかもしれませんし…
もしかしたら、死体よりもずっと恐ろしいものが出てくるかもしれません。」
「…屋敷のことを知りたいのでしたら、書斎に行くことをおすすめしますわ。ご当主の仕事場ですから、何かしら得られるものがあるかと。」
「あたくしも以前は時々遊びに…コホン。この屋敷のことを調べに行っていましたの。」
「どうぞ、こちらをお使いになって。」
書斎の鍵を手に入れた。 ▼
The Colors! Gallery moderators will look at it as soon as possible.
Comments
17 Mar, 2025, 12:50 pm
イベント発生した!!まじで千禽ってどこにでも出没するけど逆に行動範囲広すぎて会いたいときに会えないからめちゃくちゃ頑張って探しました マップ広すぎる…(いつもの)
18 Mar, 2025, 6:56 am
当アカウントは数年前から定期的に何かしらを幻視しています。変なこと言い出してもいつものことだと思っといてください
21 Aug, 2025, 4:01 pm
「『桜の足元には死体が埋まっている』?」
(『桜の足元には死体が埋まっている』。)
「まぁ。なぁに、それ?
うふふ、おかしい。そんな言葉があるの?」
(あぁ、そう。そんな言葉があるの。)
「でも、たしかにそうかもしれません。綺羅綺羅しい歴史の裏側を少し覗けばそこには血腥いものがいくつも転がっているのが常ですもの。
あんなにも美しい木です。根本を掘り返せば、それこそ無念に散った骸のひとつやふたつ、出てきてもおかしくありませんわ。」
(よくもまぁそんな言葉を生み出しましたわね。千里を見通す目でもありまして?
臭いものには蓋、醜いものは美しさで覆い隠す。そんなやり口はいつの世もどの国でも同じなのかしら。)
「この家はとても栄えていたようですから尚の事。人は生きていれば誰だって悩みを抱えるものですけれど、とりわけ名家というのはいつの世も何かしらの問題を抱えながら、一見華やかな生活を送っているものです。」
(恨めしい。憎らしい。あたくしと崇臣をこんなふうにしておいて、よくも華々しい豪商を名乗れたものです。恥を知りなさいな。)
「先程は『ひとつやふたつ』と申しましたけれど、実際は両手の指で足りるかわからないほどに埋まっているかもしれませんし…
もしかしたら、死体よりもずっと恐ろしいものが出てくるかもしれません。」
(ひとつやふたつ?そんな程度で済むものですか。
そんな程度で、満足して成仏するだろうなんて。そんな軽く思わないでちょうだい。
嗚呼、嗚呼!恨めしい、憎らしい、穢らわしい!)
「…屋敷のことを知りたいのでしたら、書斎に行くことをおすすめしますわ。ご当主の仕事場ですから、何かしら得られるものがあるかと。」
(屋敷から出たいのなら出ればいいわ。出ていけるものならあたくしだって出ていきたい。
忌々しい男たち。夫の太鼓持ちしかしない女たち。皆、みぃんな大嫌いよ。)
「あたくしも以前は時々遊びに…コホン。この屋敷のことを調べに行っていましたの。」
(あの部屋はこの屋敷の負の遺産のようなものだもの。あたくしがほとんど壊したり隠したりしてしまいましたけれどね。)
「どうぞ、こちらをお使いになって。」
(出ていける保証などありませんけれど、ね。)