「____は？」
少し、本当に少しだけ。
目を離した隙に、グシャ…！
と、背後から音がして、
振り返り、辺りを
見渡せば、そこには真っ赤に
染ったタイルと、一緒に居た
彼の腕が、置いてあった。
「え…？」
状況を飲み込むのに
時間がかかった。だって、
なんで、さっきまであんなに
楽しく話していたのに。
「ッ…！逃げろッ！！！」
そんな彼の声でようやく、
身体と、脳が動いた。
彼の近くには誰も居ないのに、
何故？どうやって隙間もない、
この部屋に入り、腕を
もっていったのか。
「なにぼーっとしてる！？
早く逃げッ_____」
次の瞬間、彼の顔が
見えなくなった。
少しだけ動けたはずの
身体は、次から次へと、
迫り来る恐怖に足を
すくわれて、いつしか
座り込んでいた。
ああ、いやだ…。まだ…まだ、
伝えられてないのに。
真っ暗だった私の人生に
光を与えてくれた
彼に…まだ…。
#sousaku　 #オリキャラ