「カスミ。お前は失敗作だよ。」
「？」

...カスミはとある実験施設で育った。
物心着いたときには実験されるのが日常的だった。

そのせいで元々は綺麗だった黒髪も今では
もう元の色が分からない。

実験はほとんど失敗してきた。
そう。"ほとんど"。
カスミの実験はひとつだけ成功していた。
"不老不死"だ。
一見聞けば最強の力かもしれないが、
死ねないということは
周りの親しかった人が消えていくということだ。
カスミにはそれが苦痛だった。

研究員が消えたからといっても
実験が無くなる事はなかった。

ある時、研究所にある事件が起こる。
実験体の暴走だ。
今まで実験してきた獣、人間、物が暴走しだした。
カスミはいつものゲージの中にこもっていたが、
周りはカオスだった。研究員も半数死んだ。
実験体もだ。
そんな実験のなか、カスミと同じく実験体の「イリエ」と仲良くなっていた。
イリエとカスミは同じ時期にこの実験施設に連れて来られた。
イリエとカスミは姉妹のように仲が良かった。

だがイリエは不老不死ではない。
そしてイリエは実験のし過ぎで心臓が崩壊して
死んでしまった。

#カナデの過去