ふと、前を見ると
ナイラは消えていた。

...不思議だった。
何故か、今は魔力で満ちている。
今なら魔能力が使えるかも知れない。
そう思った真希は力を入れて呪文を
唱えた。
すると真希の首と背中あたりから、
「手」が生えてきた。
その手は「魔力の財宝」(デビルハンド)と言った。
素早く、力強く、そして、
デビルハントで捕まえた者に命令を聞かせられる。
これがデビルハンドの能力だ。

真希はもう一つ、疑問に思ったことがあった。
なぜ、デビルハンドが使えるのか。
その元凶は悪魔の時の後遺症で
段々出てきた首の「あざ」だった。
真希は気づいて居なかったが、
あのアザを持つ者たちは
「悪魔の奴隷」と言い、人から虐げられてきた。
アザを持つ者は、"確実に"悪魔に連れ去られる
と言われていただからだ。

その魔能力を使ったタイミングで
真希は倒れてしまった。
魔力を使いきってしまった。
真希は、自分の事、記憶を
思い出していくたびに、
名前も思い出せそうだった。
だが、記憶は悪魔でも断片的な物。
真希は自分の名前を[ナギ]と
勘違いをし、ナギとして生きていく事にした。

#ナギの過去