蝶屋敷の庭の片隅、小さな桜の木がある。
「この桜はね、私のずっと先輩にあたる花の呼吸を編み出した剣士が植えたそうよ。」

風に舞う桜の花弁が、儚く散っていった命のようで哀しくなった…

カナヲは何を思って、あの桜を見つめているのだろう…私は、あの子がわからない…

カナエ姉さんは、上弦の鬼に傷付けられ、果敢無くしてしまった。
このまま、あの子は人の感情（こころ）を忘れてしまった人形のままなのかな…？
我ながら何を弱気なことを…
…これから…どうしよう…？
私に鬼殺剣士の才能は無い。…それでも鬼なんかに誰の命も奪わせない！…どんなことをしても…
あの子、花の呼吸真似ていた…
同僚の継子が「鬼殺の才能あるかも…」呟いていた。
みなしご、くちべらしのコが、キサツのけんしになる…よくあること。
…けれど、そんなつもりで、ひきとったんじゃない！
わたしも、ねえさんも、あのコをほっておけなくて…

いつか、ほんとうのかぞくのように、なれたらいいな…みんなでわらいあいたい…

…カナヲには、キサツのけんしになってほしくない…
…ワガママかな…
推敲編集中
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