森のヌシの 気まぐれか？…

ヒトを拒む この森に
瀕死の 男と女が
やってきた…

女のほうは身重だ…
イマにも子供が生まれそうだ…

女は 最後の力を
振り絞り 子を産み
力尽きた…
産まれた子に 名前を付ける
間 もなく…

野生の ケモノの 多くは
産まれて間もなくとも
生き残る本能を
身に付けている…

ヒトの子は あまりにも
か弱い…

護ってくれる 者はいない…
逃げる力もない…
他のケモノの 糧となるか
自然の成り行き…

ヌシノ モリ ハ イヤシ ノ モリ…

ヌシの きまぐれ…

森の持つ癒しの力で
赤子の 命は
繋ぎ留められた…

ヌシは 待つことにした…
いつのひか
この子供を 育てる
ヒトが 森に訪れるのを…

しかし
季節が 何度 巡っても
ヒトは 訪れなかった…

また 季節が巡り
もう赤子でなくなった
ヒトの子は
自ら森を 出て行った…

ヌー『…クソつまらねー話、付き合わせちまったな？
ザックリ過ぎってか？
オレ様の記憶であっても、『思い出』じゃねーんだよ！
あン時オレ様、まだいねーし…なーんもできねー…ぶつぶつ…』

◆ヌーが、精霊となって出現する以前、記憶として残されてた、シーの 生い立ち。
◆ここで語るヒトは、人間はもとより、エルフ、ドワーフ、獣人など、CMA世界に住む、ヒト型種族総てを指します…
◆2019june26th編集完了

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