#DBRs

ヒビキは、劉商会のビルに到着した。
出迎えてくれたのは…義兄の部下であり世話役を兼任している「静」だった。
「ご用件ハ？」と尋ねられたヒビキ。
「身内という名の顧客からの依頼っスね。書良兄は来てますか？」
静は苦笑いで「遊びに出掛けたまま…カエッては来てないですヨ。」

話を聞いたヒビキは「では電話してみるっス。」と言いその場を立ち去った。
家に帰宅すると…後輩が遊びに来ていた。
彼女は“タマコ”。
同じ学科の男子生徒が絡んでいたのを助けて以来、懐かれた。
料理上手で家庭的な女の子だ。
学生時代はよくお弁当を提供してくれた。
学生時代からアパートで一人暮らしだったヒビキのために、家を訪ねては手料理を振舞ってくれた。
今もその名残があるのか…時々、家を訪れては料理を振舞ってくれる。
彼女の料理を食している最中、静から連絡があった。
「書良が帰宅した。」との内容だった。
ヒビキは、彼女に感謝を告げ再びビルに向かった。

そこには顔馴染みの面子が集まっていた。
見慣れない人物もいたが今回の案件には関係ない。
(恐らく部下だろう…。)
奥の部屋に案内された先に“義兄：書良”が座って待っていた。
「最愛なるイモウト、ヒビちゃん!!!　本日ハどのようなご用件デ？」
ヒビキの上から四番目に位置する義兄：書良(ｼｮﾗ)
日本人(父)と中国人(母)のハーフの異母兄妹でもある。
他人からはドSと思われているが…その逆。
過去の出来事にも関係するが 隠れドMキャラ でもある。
自分に向けられた殺気や痛み(わざと受ける)を倍にして相手に返すが、
特定の人物にはM属性を発揮するらしい
(現在は、ヒビキと静。)

変な探りを入れ怪しまれるのであればと思い、これまでの出来事を話した。
「書良は兄弟の中でも特にヒビキ(妹)への愛情が深い(強い)人物。」
自分自身が知っている情報を話してくれた。

まさか、この事件に自分(ヒビキ)が巻き込まれるなんて…この時はまだ思ってもいなかった。