『きをつけてかえんなね。

…このあたりは、なにかとぶっそうだからさ。

…とくに、あんたみたいな　よそもんにたいしてはね。』

いちどまよいこむとでぐちがわからなくなってしまうような、いりくんだこうぞうの　あれはてた、ろじうら。

おもてのせかいとはきりはなされた、
うすぐらくてジメついたくうき。

うえたのらねこのようにめをひからせ、あくいをもったやけんのようなきょうぼうなひとびとがはびこるというウワサのろじうら。

『ウチでかいものしてるあいだだけはさ、あんしんしていいよ。

おにーさんがまもってやるから。

…じゃなきゃこっちも、しょうばいあがったりだしさ。』

そんなアクセサリーしょうにんがいるろじうらの、そんなふうけい。

すすめられるがままにかった、
かみぶくろにつつまれたアクセサリーは、まるでからみあうアクマのはねのようだった。

『それね、おまもり。』

めのまえで、やさしいかおをしてわらう、

『やー、でもほんと、

　　　　ぶじにかえれるといいね。』

かれがたぶん、このろじうらでいちばんのあくにん。

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